アーカイブ 2011年 4月



想像と創造

ネッツデンタルの副島直博技工士">今回はインプラント治療のコンテンツのところで登場している、ネッツデンタルの副島直博技工士に書いてもらったものをそのまま掲載します。

 歯科技工士の免許を取得して22年目を迎えました。また、末竹歯科医院の仕事をさせていただくようになり17年になります。その当時私の技術不足の為にご迷惑をおかけした事も多々ありましたが、現在まで末竹先生から学ばせていただいた数多くの事は、私の技工技術の中で大いに生かされています。末竹先生は非常に高いレベルの仕事を要求されますので、それに応えていけるように日々心掛けている事があります。個々の患者様が何を求めていらっしゃるのか、末竹先生は何を求めてあるのか、その症例で重視すべきポイントは何か。これらを的確に見極めていき、どうゆうふうにすれば満足して喜んでいただけるのかを想像しています。具体的に製作していく際には、使用する材料・補綴物の種類・部位等を考慮し、例えば埋没材の混液比を0・5ml増減したり、800度前後で焼成するセラミックの温度を3~10度前後微調整してといった具合に、いくつもの製作ステップの中で微妙な「さじ加減」をしています。また、これまでの経験と知識から得られた歯科技工の基礎になる事を大切にしていきながら、新たな材料や技術をよく吟味し納得した上で積極的に取り入れていくようにしています。 

もう一つ大事なことは、、私の技工所は佐賀県唐津市にあり末竹歯科医院から車で1時間ほどの距離がありますが、仕事中はいつも末竹歯科医院の中で、末竹先生はじめスタッフの方々と一緒に患者様のすぐ傍で製作しているイメージを持つということです。

まだ歯科技工士の仕事を極めたとは言い難く、これからも努力を怠らず歯科医療に貢献できるよう精進していきたいと思っています。



勉強

『最小の時間で最大の効果を得る 1日15分勉強法 (宮崎伸治著)』 の中に 「勉強こそが究極の知的エンターテインメント」という見出しがありました。そこには

●「勉強」と「遊び」の最大の違いは、それを続けたときに、ますます楽しくなるか、だんだんつまらなくなるかに尽きます。「勉強」は、続ければ続けるほど楽しくなるものです。一つ階段を登れば、さらに登るべき道が見えてくる。そこに到達すれば、さらに登るべき道が見えてくる……。その過程で充実感や達成感が得られる。これが「勉強」の醍醐味なのです。

●勉強の目的は、あくまで知識や技能その他の能力を向上させるためのものですが、優れた知人・友人の数が増えるという副産物もあります。ことわざにも「類は友を呼ぶ」とあるとおり、人間は誰しも、自分と同じ価値観を持っている人を好きになり、友達になりやすいのです。なぜなら、同じ価値観を持っているとは、それだけで「自分の考えていることがわかってもらえる」「自分の価値観を認めてもらえる」ということが半ば保証されているようなものだからです。

と書かれています。

今、インプラント、頭蓋・顎顔面・口腔咽頭治療、歯内治療、口腔内写真撮影を中心にいろいろな講演をさせてもらっていますが、どのような質問にも答えることができるように準備する段階で深い勉強をします。専門書を読むにしても、普段はただ字面(じづら)だけを追って、あまり頭に入ってきませんでしたが、アウトプットのためにじっくり消化できるように深読みをするようになりました。これが結構楽しくて、回数を重ねていくと結果的に膨大な量の勉強をすることになります。書いてある通り 「究極の知的エンターテインメント」 です。また、様々な地域でお話をさせていただく度に、優秀な先生方とお知り合いになることができ、私のすばらしい財産となっています。長崎県松浦市という過疎化傾向にある地で歯科治療しているだけでは、とうてい得ることができなかった 『宝物』 です。



歯科治療の中の宗教

鹿児島大学歯学部を卒業してから現在までたいへん幸運な歯科医人生であったということを常々感じています。多くの歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士、歯科助手、ディーラーに出会い、その都度歯科医としてステップアップできました。また勉強・研鑽のやり方もおおかた間違っていなかったと思います。大学卒業時になぜそう思ったのか今でも思い出せませんが、「自分は義歯が得意だ」と錯覚していて、さらにそれを伸ばしていきたいと、参加する研修会のほとんどが「総義歯セミナー」でした。一度本気で学び始めると楽しくなるので、相当なレベルに達するまで専門書を読みまくり、アンテナを立てて義歯の分野で著名な先生が書かれている記事をチェックしていました。その当時、これも間違いなく錯覚なのですが、もう学ばなければならない先生はいないと思い、次に歯内療法(歯の神経の治療)も極めたいと思いました。一度、極める方法を覚えるとあとは楽です。

①日本のトップを探し

②その先生に追いつけるようにセミナーに出て、関連する専門書、文献には手当たり次第に目を通し

③臨床に反映し

④シビアな目で自分の治療を評価する

⑤機会があれば講演、論文執筆などでアウトプットしていく

ということを繰り返せばよいのです。歯周治療、咬合治療、インプラント治療、審美歯科治療、咬合誘導・矯正治療、頭蓋・顔面・口腔咽頭治療、レーザー治療など多くの分野で、失礼な話ですが、トップの先生しか見ていません。若い先生方から「末竹先生が最も得意な分野は何ですか?」と質問されることがありますが、「本物を探す能力、いや嗅覚かな」とお答えしています(質問に対する答えではありませんが)。その分野で学ぶべき一等賞の先生を見つける能力は負ける気がしないなと自負しています。日本全国見わたせば、勉強量で私よりを大きく凌駕している先生はたくさんいらっしゃると思います。ただムダな、見せかけの、流行病の、患者さんのためにならない、歯科医師のマスターベーション的なことに、余計な労力を費やしてしまっていることを本当によく目にします(コンポジットレジンのグルーブステインを本当に患者さんが求めていますか?臨床上必要ですか?)。残念なことですが事実です。

では上記の方法であれば、どのような先生を目指しているか?代表的なところでは、総義歯は阿部二郎先生が提唱されている方法を忠実にコピーし、自分の咬合理論に従い噛み合わせの調整を行う。歯内治療は自分自身でセミナーを行っており、非常に結果が優れている方法を確立しているため、目指すべき先生はいらっしゃいません。インプラントは優ビル歯科の林揚春先生とお知り合いになり、何とか近いレベルでディスカッションができるようになりたいと思うことで現在のレベルになりました。また、一般的にはそれほど評価が高くなかったHAインプラントの素晴らしさを教えていただいた先生です。冷静に判断して世界で最も優れたインプラント臨床家でしょう。補足すべきはHAインプラントを低く評価されている先生は、例外なく、きちんと使われていない先生か(結果が出ずに、あれはダメだということになっています)、上っ面の勉強をされている先生であると思っているので最初から目指すべき先生のリストから大きく外れていることです。最後は以前のブログで登場されているひかり歯科の三谷寧先生です。三谷先生が提唱される頭蓋・顔面・口腔咽頭治療は遠い道のりになりますが、残りの歯科医人生をかけて後進に伝え、また当然患者さんにやって差し上げたい治療です。

このように目指すべき日本一がはっきりしていると非常に楽なのですが、ただ一つはっきりしないのが咬合治療です。全世界的に様々な先生が提唱される「○○法」、「○○式」という理論があって、私から見るとそれぞれに決め手に欠けるという感じです。謂わば「宗教」です。サムシング・グレートという絶対的な神のような存在は共通しているが、それぞれ少しづつ異なるので小さなものを含めると世界中にたくさんあるという宗教と咬合の分野は非常に似ているのです。この分野については本物を嗅ぎ分けきれていないので、『No.1』を見つけることが今後の課題です。



">私が住む松浦市は佐賀県伊万里市と接しています。福岡に行くときなどは必ず伊万里を通るのですが、その道に沿うように松浦鉄道の1両の電車が走っています。

今回ご紹介するのは、伊万里市浦の崎駅です。私の生まれた頃から、あるいはもっと前から桜の名所として、その季節には多くの写真家たちがシャッターを押している駅です。素晴らしい枝振りの古木が線路脇に並んでおり、何万本の桜があるような公園などとは趣が違います。本日たいへん天気が良かったので、フラフラと桜を見に出かけました。車を降りて見物するのは初めてだったのですが、ゆっくり見る 『浦の崎駅の桜』 の美しさは格別でした。



俯瞰(ふかん)

今回の東日本大震災で多くの有名人が寄付を申し出られています。そもそも総資産額が突出している(約6800億円)とはいえ、目をひくのがソフトバンク社長の孫正義さんです。つい数日前までのアメリカ合衆国全体(公的なもの、個人合わせて)からの寄付金とほぼ同じの100億円という莫大な金額。孫正義社長は、1957年生まれの53歳という若さでありながら、圧倒的な存在感、オーラを放っているのですが、不思議なくらい全く嫌みがありません。うならされるほどの企業家、経営者である彼が書いている本は何冊も読んでいますが、経営者として(開業しているからには歯科医師とて経営能力が問われるのです)頭にたたき込んでおきたい文章がいくつもあります。そのうちの一つが

「変化が激しいときだからこそ、できるだけ遠くに目を配り、遠くからパッと見返す。そういうイメージってビジネスにとって物凄く大事。」

です。一歩先の未来からかえりみる、いわゆる俯瞰的な視点で物事を考えることは歯科医院のような小さな単位でも必要であり、『日本国の経営』ではもっと大事なはずです。それなのに、今の日本にそのような政治家がいないと思えるのは大変残念なことです。



TRY

● 失敗すればガッカリするかもしれないが、試さなければ運に見放される。(Beverly Sills)

● 変わらなければ成長しない。成長しなければ本当に生きることにはならない。(Gail Sheehy)

● 人生には失敗がない。あるのは成功か学びか。だとしたら、挑戦しなきゃ損ってことですよ。(斎藤一人)

● 失敗を恐れて大失敗をするな!(長谷川和廣)

● 人間は2通りしかいない。成功者と失敗者ではない。成功も失敗もする人と、成功も失敗もしない人である。(中谷彰宏)

同じことを様々な人が本に書かれています。新しい治療法についても TRY しないことには習得することはできません。ただ医療は失敗しないことがあたりまえの世界。これを踏まえた上で最新技術を自分の治療の引き出しの1つに加えるための条件は次の通りです。

言葉は悪いのですが、『試す』ことが必要であり、『試される』患者さんが必ずいます。医療人として守るべき最低のルールは、十二分に勉強し十二分に予行演習を行っておくこと。さらに、イメージ通りの結果が出なければ、必ずアフターフォローできる技術を身につけておかなければならないということです。何事も基礎を大事にし、一歩一歩成長、さらに歯科医師として引退するまでずっと学び続けることです。