この内容は、ブログではなくホームページで、きちんとした一つのコンテンツとして取り上げるべきだと思います。
それ内容とは、
睡眠時無呼吸症候群
について。
本日、睡眠時無呼吸症候群で苦しんでいらっしゃった、ある患者さんの治療が一段落しましたので、このことについてまずブログで取り上げることとしました。
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome(以降SASと書きます))の2大症状は、
①大きないびきに伴う夜間の呼吸停止
②日中の過剰な眠気
です。
少し難しいことを書きます。SAS患者では1晩に30回以上、重症例では何百回も、
短い睡眠 → 10秒以上の無呼吸(気流停止) → 覚醒反応 → 呼吸再開(換気)
というエピソードを繰り返すことで、睡眠時間の不足とともに問題となるレベルの眠気を引き起こし、場合によっては、居眠り運転事故や仕事上の大きな失敗の原因となります。
また回数の多い無呼吸では、急性症状として低酸素血症、高炭酸ガス血症、血管攣縮や不整脈までおこり、さらに慢性的な合併症として高血圧、肺高血圧などがあり、その結果死亡率を高める可能性があります。
原因はいくつかありますが、肥満の率が高い欧米では、その肥満が気道を狭くする大きな原因となっていると言われています。一方日本では、肥満が原因であることは多くなく、それよりも下顎が小さい、後退しているといったことで無呼吸になりやすいとされています。
現在、鼻閉などの耳鼻咽喉科疾患がなければ、SAS治療の第一選択は鼻マスクを使用した
nasalCPAP(以降NCPAPと書きます)
です。
しかしながら、このNCPAP、
・アレルギー体質で、マスクで接触性皮膚炎や圧迫により鼻に炎症を生じる。
・マスクやヘッドギアの装着が煩わしい。
・周りからみると非常にゴツいので恥ずかしい。
などのマイナス面があり、さらに、“ 大荷物になるため旅行に気軽に行くことができない” といったことも
継続できない原因
になっているようです。
NCPAP以外に大きな効果が期待できる治療法として、
スリープスプリント
があります。
これは、私たち歯科医院で作製するものです。お口に入れるプラスチック製の装置で、小さなものですから、持ち運びに便利です。
上記のNCPAPようなの欠点がありませんので、きちんとした診断と調整ができれば、NCPAPに代わって、
SASに対する第一選択
だとも個人的には思っています。
このブログを見て、あるいはテレビの特集を見て、
「自分もいびきを良くかくし、嫁から息が止まっているといわれるので、歯医者さんでスリープスプリント作ってもらおうかな~」
と思われたかたもいらっしゃると思いますが、残念ながらそう簡単ではありません。
このスリープスプリント、保険で治療可能なのですが、保険を適用するためには条件があります。
睡眠時無呼吸についてモニターできて、数値的に睡眠時無呼吸のレベルを測定し、私たち歯科医院にスリープスプリント作成依頼の
診療情報提供書
を書いていただける医科の病院に、まず行っていただかなくてはなりません。
写真のような、診断書と依頼書を書いていただいて、当院に持ってきていただければ、上顎と下顎の位置関係をしっかり診断し、
その患者さんにあったスリープスプリント
を保険で作成可能です(残念ながら、歯科単独で保険治療はできません)。
今日一端終了した患者さんは、過去に2度スリープスプリントを作っていただいたことがあるいうことでしたが、初めて苦しくないスリープスプリントができたと喜んでくださいました。
あくまでブログ上の説明ですので、細かい数字は書きませんが、潜在的なSAS患者さんの数はかなり多いことはマスコミで取り上げられているとおりです。本当に苦しんでいらっしゃるかた、写真のような診断書を書いていただき、予約をとって、末竹歯科医院にご来院ください。
因みに、当院のスプリントは、教科書的なスリープスプリントではなく、末竹歯科医院オリジナルであり、いくつかの工夫と細かな調整を行って
具合がいい~
使いやすい~
と患者さんに言っていただけるようになります。
「SASで苦しまれている多くの患者さんのために、モニター結果等をブログに掲載させてください。」とお願いしたところ、Mさんには気持ちよく了解していただきました。
ありがとうございました。感謝いたします。
長いブログにおつきあいくださいましたブログ読者の皆さんにも感謝いたします。
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