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歯の外傷の治療は矯正治療と歯牙移植の両方ができる歯科医院へ

Posted by Suetake 2011年6月30日

歯の外傷の治療は歯科におけるER(Emergency Rescue)。

多くの歯科疾患は、おおざっぱなくくりでいえば「慢性疾患」で、あとはどの段階で患者さんが来院されるかでその緊急度が異なるだけです。

しかし、外傷は違います。明らかに救急処置。それも歯の命を考えると、救命救急

当院にも1年に何度かこのような患者さんが来院されます。テレビやその他メディアで「歯が抜けたら、牛乳に入れるか、自分の口の中に入れたままで歯科医院へ行ってください。」と報道がなされており、おおかた間違ってはいません。ただ問題なのは、戸をたたく歯科医医によって歯の救命率が異なること、さらに歯髄(患者さんには「神経」と言って説明します)の保存の可能性がまだよく理解されていないことです。

写真は2本の歯の複雑な歯根破折および、正中での歯槽骨骨折。あと1本が歯の脱臼(折れずに抜けている)状態です。外傷歯の治療で『肝』と言えるのが、元あった位置にどれだけ正確に戻せるかということで、次に大事なのがその状態をキープするということです。戻ったはいいものの教科書で書かれているような細いワイヤーと接着剤(スーパーボンドなど)での固定は明らかに弱い。血餅に負けてしまいます。このようなケースのレベルになると、角ワイヤーを素早く曲げ、ブラケットを装着して固定しないと歯髄を保存したままで良好な予後を得ることは正直難しいと思います。

ここでタイトルにつながるのですが、

①歯肉の裂開、出血などを伴う術野で、できるだけ正確に外傷歯を元あった位置に戻せる能力があること(自家歯牙移植の治療に多くの部分で共通しています)。

②一定レベルのブラケットを使用した矯正治療ができること。

この [ 2つの能力+経験 ] がある歯科医院へ行かれれば、相当な率で歯の延命が可能です。よろしければ参考になさってください。

ちなみに、私の長女には低位の歯根破折(ミニバスケットボール練習時)を、次女は歯の完全脱臼(小学生時うんていから落ちて歯が抜けた)を治療し、今は何事もなかったかのような口腔の状態です。当然わざとやったわけではありませんが、歯科医としてのキャリアアップに子供たちも大きく貢献してくれています。

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