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軟らかい食品を食べると顎が小さくなるというデータはどこにもありません!!

Posted by Suetake 2011年8月30日

マスコミで歯科治療に関して取り上げられるときに、いつも不安に思うことがあります。

大学教授の話でもそうなのですが、一般開業医がしゃべっている内容で、結構いい加減なことが多いからです。

歯科関係以外の方がそれらを信じることは、ある意味いたしかたないことだと思いますが、勉強が不足している歯科医師さえもマスコミの誤報道を「事実」として当たり前のように思っているからやっかいです。

その最たるものが、「軟らかい食品を食べると顎が小さくなり、歯並びが悪くなる」 ということ。

十数年前になりますが、日本の小児歯科界の至宝、元東京歯科大学名誉教授の町田幸雄先生をはじめ、当時の名だたる先生がたが、ある歯科雑誌で

「最近の“日本人の顎”は小さくなっているのか?」と題して紙上シンポジウムをされました。

その中で町田先生が言われた代表的なことが

残念なことですが、近年、軟らかい食品を摂取すると顎が小さくなり歯並びが悪くなるということは、一般のほとんどの人々に信じられています。しかし、この根拠とする論文は、極端な条件下での動物実験と古代人と現代人の食生活を比較し、類推した論文によるものと思われます。」

この論文の結論が

● 顎が小さくなっているというデータは一つもない。

● 顎の大きさを人類的な時間の単位ではなく、最近のヒトの寿命の範囲で考えると、顎は一回りほど大きくなっている。

ということなのです。これが “事実” です。

では、なぜ歯並びが悪い子供が増えているのでしょうか?

一つに歯並びが悪くなっているかはわからないが、歯並びに対する関心が高くなっているために増えているような気がするということ。

もう一つ、これが重要なのですが、「顎が小さくなっているのではなく、顎の骨が内側にたわんで歯を並べる器としては小さくなっている」ということが大きな原因です。

大学がよくわかっていないことなので仕方ありませんが、大きな影響力のあるマスメディアで「ウソ」をばらまくことだけは慎んで欲しいものです。

当院は、歯並びの相談に関して特別な料金はいただいておりませんので、気軽にご相談ください(長い時間はとれません)。本当のことを、短時間に、的確にお伝えします。

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