「良いようですよ。噛みやすいです。」にホッ
という主訴の患者さん。
見ると、何度も修理してつぎはぎだらけの上下総義歯をつけていらっしゃいました。
その義歯は何十年も前に作ってもらって、いつ作ったかは定かではないとのこと。
これらの情報と旧義歯を写真を見ていただいたら、義歯新製を承ることに躊躇してしまうのがわかっていただけるでしょう。
何十年も使っている・・その義歯の大きさ、かみ合わせ、舌感になじんでいる
浮いてくる・・=新しくして浮かないぴったりした義歯を作って欲しい
貧弱なスケートデンチャーを長い間つけていらっしゃった患者さんの顎堤がしっかりしていることは少ないし、事実、下顎はほとんどフラットに近い顎堤の状態でした。
大きく作り、ボーダーの豊隆、舌で押さえ込んでもらうための研磨面形態を工夫すれば、顎堤の状態によらずある程度の吸着は得られますが、何十年も使われた旧義歯と比較して
本人が「異常」と思うような大きさの義歯
を作っても使っていただけないことはよくあることです(若いときはたくさん経験しました)。
印象を行う前に上記のことを伝え、旧義歯に勝てる、つまり患者さんに使っていただけるような、そして主訴の
吸着する新義歯
ができあがるかどうかはわからないことを伝えました。
そうすると、返ってきた言葉が、
「末竹歯科で義歯を作ったら具合がいいって皆さん言ってらっしゃいますから・・」
ますますハードルを上げてしまってから治療を開始することになりました(^^;)
私自身の感想としては、
「ちょうど良い大きさかな。吸着もあるようだし、使ってもらえるかも。」
最終研磨が終了し、口腔内に入れ
「どうですか?かみ合わせなど悪くないですか?」
「良いようですよ。噛みやすいです。」
技工士のおかげもあり、第1段階はクリアーできたようです。
○○さん、細かい調整が必要かもしれませんので、あと数回通ってください。
まだ77歳。おいしい物を食べて長生きをしてくださいね。
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