歯内治療の講演会に参加して
今日は午後から、長崎県歯科医師会の
平成26年度第2回学術研修会
受講してきました。
講師は、神奈川歯科大学教授の石井信之先生です。
『 医療グローバル化時代を迎えた歯内療法 』
と題して
術者の医療技術に頼る治療ではなく、誰が行っても確実で良好な臨床成績が確立された医療
という内容を中心に、シンプルにシンプルにお話をしていただきました。
自分がやっていること、若い先生にお伝えしていることのメインがグローバルスタンダードであることを確認をさせていただきました。
ありがとうございました。
歯内治療と言えば、約9か月前に頭を抱える治療を依頼されました。
交通事故により右上1,2番を打撲して、歯冠が歯肉縁下まで破折し、一部の小さな破折片が飛び散って歯肉に埋入しているところが何か所がありました。
このような状態ですから、もちろん露髄していました。
露髄していたにもかかわらず医科の治療を優先されたため歯髄が感染を起こしている状態で来院されました。
ここまでは時々はあることです。めったになかったのは、
・完全な根未完成永久歯であり、根管が3次元的に非常に複雑な空洞であったこと
・保険会社から、この歯を確実に治して保険外の補綴物を依頼されたこと
ということでした。
マイクロスコープを毎回使い、マイクロエキスカを何度も何度も使って時間をかけて根管内をきれいにした後、水酸化カルシウム製剤を貼薬してデンタルX線写真を撮りながら根尖部を観察していきましたが、やっと根管充填にたどり着きそうです。
ただ、ここからどの程度の予後が得られるでしょうか?
右上3番の位置、どうでしょう?
2の歯根に歯冠が接していたら、根吸収の可能性があります。
築造はどのような方法がベストでしょうか?(決定しています)
何よりも、連冠にしたところで、咬合について配慮しても、どれほど長くもってくれるでしょうか?
そういう歯に対して 補綴物だけは自費治療を行わなければなりません。
もちろん最大限延命できるようにベストは尽くしますが、たいへんンジレンマを感じるところです。
湾曲根管や歯髄の石灰化の強い根管に対する処置もそれなりにたいへんですが、予後を考えて難しいのは、はるかに
根管が大きな幼弱永久歯
ですよね!
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