“ 機能 = 形態 “・・ではない
勉強に集中するためには絶好の環境であり、いつもお世話になっている
平戸図書館
に来ています。
今日は、パソコンに保存している文献の中から、
機能
に関するものを復習しようと思ってピックアップし、プリントアウトして持参しました。
様々な機能矯正装置を試してそれなりの確率で成功させ、その時々、症例に応じて使い分けることが能力がある、あるいは
いかしている
と錯覚しながら講演していたときに使用していたスライドの1枚です。
機能 = 形態
クエスチョンマークを付けていないということは、断定していたということですね。
恥ずかしい~~
当時の情景を思い出すと、穴があったら入りたい気分です。
口呼吸の悪影響について論じられて久しいですが、なぜ口呼吸( 機能 )になるのか。
いや、形態的に口呼吸にならざるを得ないか?ということについてディスカッションされることは相変わらず少ないような気がします。
機能を変えることで、どれほど形態が変わるのでしょうか?
0.1㎜単位?
1㎜単位?
それをきちんとした方法で調べて、定量的に分析された信頼に足る論文はあるのでしょうか。
勉強をしたいので、もしあったら是非ご紹介ください。
スムーズにお口を閉じて( 無理矢理ではなく ) 正常な呼吸( 鼻呼吸 ) を行うには、おおざっぱに言って舌が口蓋に軽く接している必要がありますが、無理なく行うことができる、この「機能 」を担保する口蓋の広さ、側方や前方への広がりがあって、さまざまな機能訓練が苦痛を伴うものでなくなり、親御さんが厳しく言われなくても続くものになっていくと思っています( ㎝単位の拡大が必要なこと多々あり )。
当院に来院される患者さんには、相当まじめに訓練に取り組んだが、口呼吸も治らないし歯列もあまりにも変化がない。悪化している気さえするという不安を抱えていらっしゃることが少なくありませんし、多くは形態的に訓練に適したものでないために、苦しくて挫折されているようです。
念のために書いておきますが、決して機能や訓練を否定しているわけではありません。
機能的なアプローチと形態的なアプローチを平行して行うことができれば、それに超したことはないと思います。
まず機能ありき。
頑張れば口呼吸を解消できるのだ!
という風潮に危うさを覚えると書いているのです。
何でもそうなのですが、歯科医に限らず、人は簡単な方
「 これさえやっていればそこそこいける。」
というものに飛びつきやすく、信じやすく、流れやすいものです。
10月の学会を含めて、今後このあたりの話をする機会が増えそうですので、誤解されないように解剖学的・機能学的にしっかりと筋道をたてて説明し、ひとつの方向性を示すことができるよう詰めていきたいと思います。
平戸大橋や平戸瀬戸の見える大きな丸テーブルを独占して申しわけない気分のGG歯科医を応援していただけるかた、右下の【歯科医】ボタンをプチッとクリックお願いします。