久々に学術系の長~~いブログです

10月23日に西望歯学会にて歯内治療を中心に講演をさせていただきました。

その時使用した400枚オーバーのスライドは、

● 機器・材料の正しい選択と操作法

● 一体化

の内容を説明するためのものを多く含みましたが、今日のブログでは、そのほんの一部、直接法によるレジンコア+ファイバーポストを用いた支台築造について解説を加えたいと思います。

臨床経験がそれほど多くない先生方の中には、

「支台築造が歯内治療の講演に必要なのか?」

という疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、コロナルリーケージの可能性や、根管内の処置が支台築造の肝だと考える私にとって、被せものよりも、より歯内治療に近いのではないかということでスライドの入れさせていただいたしだいです。

 

① テーパーのついた専用ドリル or RTPリーマー(デンテック)で築造窩洞の形成。ピーソーリーマーは不適当

支台歯根管とファイバーポストの適合は少しルーズなほうが望ましいということは、普通に考えれば当たり前のことです。

なぜなら、ファイバーポスト併用レジンコア支台築造の歯に対する維持は、デンティン・ボンディングであり、ファイバーポストと根管の適合によるものではないからです。

いかに確実なデンティン・ボンディングを行うかということと、レジンの一定レベルの強度を確保することが重要なので、ファイバーポストピッタリのドリルを使用するよりも、それよりも若干大きめのドリルを用いたほうがいいと考えます。

テーパーがついているはずの根管に対してテーパーがないピーソーリーマーを使用する?あり得ないですね!

 

② 根管ブラシとエアーフローによる窩洞内の清掃

全ての項目を緻密に行うべきですが、この窩洞内の清掃がいい加減だと、後の処置を頑張ってもそれなりの結果に終わるでしょう。

根管ブラシだけでは多くのケースで十分なことが行えていない可能性が大です。

 

③ エアーによる窩洞の乾燥

一時的なものであり、そこそこの乾燥です。

 

④ ファイバーポストの試適と長さの調整(YDM ファイバーカッター)

ニッパー、矯正用のカッター、ディスク等を使用してみましたが、専用のカッターにはかないません。

 

⑤ ファイバーポストのシランカップリング処理(セラミックプライマープラス)

せっかくシランカップリング剤が含まれるボンドマーライトレスを根管内に使用するのであれば、同じものをファイバーポストの前処理に使用したらいいのでは?と思いますよね。

先ほど書いたように全てのステップを緻密に行うことが大事なのですが、もし『抜ける』という症状が出るならば、根管からレジンではなく、レジンからファイバーポストがスポッと抜けてくることが多い。

このファイバーポストにしっかりとしたシランカップリング処理を行うことはとても重要なことなので、どれほど異なるのかはわかりませんが、末竹歯科では、何でもありのものを使用するのではなく、それ専用のセラミックプライマーを使っています。

 

⑥ 再度窩洞の水洗と根管バキューム、ペーパーポイントによる十分な乾燥

エアーブローだけでは、根管内、特に最深部付近の乾燥は十分に行えませんので、根管用のバキュームとペーパーポイントを併用しています。

 

⑦ セルフエッチングボンドをポスト孔内と歯冠部前面に塗布
  ミニブラシブラック(Tokuyama Dental)使用

ものを見てもらえばわかりますが、通常形態のマイクロブラシと比べると、どんなに細い根管にも、あるいは太い根管でも、塗りむらがないだろうと思わせる形をしている、それがミニブラシブラックです。このようなこと一つにもこだわれるかどうかが、シビアなケースでの予後に大きく関わってくると考えます。

 

⑧ セルフエッチングボンドの液溜まりをペーパーポイントで吸い取り、中~強圧のエアーで乾燥(5~10秒)

エアーが届きにくいのであれば、ボンドの液だまりはあるでしょう。

 

⑨ ノズルが細長いことと光透過性に優れる非混和タイプ(気泡埋入僅少)のコンポジットレジンを選択して、ポスト孔先端からゆっくり引き上げながら填入し、調整したファイバーポストを静かに挿入する

右スライドのように、機械的強度はエステコアの方が上です。それは光重合でも化学重合であってもです。

ではなぜサンメディカルのポストレジンを使うのか?

一つにノズルがメタル製で長くて細く、それでも押し出しに問題ないように流動性が確保されているということ(最近プラスチックノズルを使っていたメーカーがメタルノズルし、その流動性を上げるために材料自体も変更しているという例もあります)。

もう一つ、これが非常に重要なのですが、練和しない光重合タイプだということです。

どれほど優れたミキシングチップを用いても、混ぜ合わせるタイプのものは、必ずと言っていいほど気泡が埋入しています。

ごくわずかな厚みの根管内のレジン中のそれが入ったらどうなるでしょう。いいはずがありません。

「光重合タイプはだめでしょう?やはりデュアルキュアタイプでなければ!」

光重合タイプは光が届かなければ重合しないので、ファイバーポスト・根管内用のレジン両方とも透明度が高く光透過性の高いものを選択しているのです。

 

⑩ 光照射。透明度の高いレジンは、およそ歯肉縁付近まで

⑨を参照

 

⑪ 支台築造用コンポジットレジン(エステコア)の築盛と最終重合

歯冠部に相当するところは、ある程度の機械的強度を求めますので、エステコアを使用しています。

 

⑫ 支台歯形成、印象

出血や歯肉溝滲出液をコントロールしながら上記の処置を行っていますので、同日に形成し確実な印象が行えます。

 

最後までおつきあいいただきありがとうございました。

 

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