『犯人捜し』のようなことはしないで!!
タイトルをつけるのが難しいですが、近隣のかたに読んでいただけるよう、あえて目に飛び込む言葉を使いました。
ご了承ください。
昨日私の住む松浦市でも、初めて新型コロナウイルス感染者がでました。
県境や市町村境に柵を立てて管理しているわけではないですから、いつかはそういうことが起きると予想していましたし、当院スタッフにも
「4月中旬くらいに松浦市でも感染者がでることが予想される。それを想定してしっかり準備していこう。」
と朝のミーティングのたびに訴えていました。
恐れていたことが現実に起こってから最初に『怖い』と思ったのは、周りが一斉に犯人捜しに似た会話をし始めたことです。
研修医の打ち上げや危険と知りながらの海外渡航など、はっきりと本人に責任がある場合は別として、問題になっている行動をとっていないにもかかわらず感染してしまった場合は、はっきり言って
被 害 者
です。
それなのに特定した上で強烈な差別を行うなど、絶対にあってはなりません。
感染経路が不明なケースの方が遙かに多くなった現在、誰もがいつ感染してもおかしくないということを考えていただきたい。
自分が感染したら、家族がそのようになったら・・・
そんな態度をとれるのか?
患者を目の前にしながら懸命に戦っている医療従事者はどう接しているのだろう?
非常事態に助け合うべき人間であれば、医療従事者と同様のことができるよう努力するべきではないか?
自問自答して、余計な詮索と意味のない差別は絶対に避けてください。
患者さんとその家族は、発症してしまった病気とともに、社会的に排除されるのではないかという恐怖と戦われていることを覚えておいてください。
松浦のような田舎で発症者がでたということは、非常事態宣言が出されたところ以外も、至る所に感染者がいるということを意味します。
感染しないよう努力しながら、自分が感染者だと想定して外出時は必ずマスクをする。
そうしながらウイルスに対してある程度寛容な世界を形成していく。
アフリカやシンガポールでも感染が拡大したことを考えると、季節性のウイルスではありません。
夏になると収まるどころか、熱中症を発症しないよう密閉空間でエアコンを効かせる夏の方が危ないとさえ言われています。
本当に残念ですが、6,7割の人が感染して抗体を持つか、質の高いワクチンができて多くの人に接種した上で全体の5割以上で抗体を獲得するまではこの苦しい戦いが続くでしょう。
これが
『不要な行動をとっていないにもかかわらず感染してしまったかたに対して優しい態度と気持ちで見守る』
ことが必要だと訴える理由です。