• カテゴリー

  • 最近の投稿

  • 月別アーカイブ

  • 検索

にほんブログ村 病気ブログ 歯科医へ

臨床経験〇十年

Posted by Suetake 2012年5月30日

昨日、あるご高齢の患者さんの義歯の治療が終わりました。

● 下顎の顎堤吸収が大きい(陥没している状態)

● 下顎位不安定

● 2級様の顔貌

● 口角が狭く、顎堤の幅の3/4くらいしかない(完成義歯を入れるのにも一苦労)

と悪条件のオンパレードの上に、これが一番痛いのですが、いままで使われていた義歯の状態が非常に悪く、新義歯を製作する上で全く参考にならないという“超”がつく難症例。

グロースデンタルラボ・山本技工士の努力(特に研磨面形態)もあって、少ない回数で何とか使っていただける上下総義歯を患者さんに作ってさし上げることができました。

定期的にかみ合わせの調整、内面のチェックをさせていただいて、何でも噛めるようになっていただきたいものです。

そういえば、まだ私が20歳代の頃、義歯で有名な塩田博文先生が、

「上下総義歯の新製を希望される患者さんは、全国平均でひと月に1人、多くて2人。私の医院には多くの総義歯患者さんがいらっしゃっているので、義歯に関する臨床経験は、今現在すでに100年くらいだね。」

と言われていたことを憶えています。

当院でも、上下総義歯を新しくして欲しいと来院される患者さんがたくさんいらっしゃいますので、私も塩田先生のように、平均的な歯科医師の90~100年分くらい作っているかもしれません。

今回の難症例に対する、診断、見方、テクニックなどは、総義歯に対する学問ばかりではなく、この途方もない臨床経験が相当効いている思っています。

口腔内、口腔外で何度も咬合調整を行うので、一回の義歯セットで数十枚の咬合紙を使用してしまう、アラフィフ歯科医を応援していただける方、右下の【歯科医】ボタンをプチッとクリックお願いします。