入れてもらえる総義歯
○ お口に入れていただける総義歯
○ 使っていただける総義歯
という条件の一つに、
邪魔に感じない
ということがあると思います。
一般的な本に書かれている方法のスナップ印象であれば(アルジネートの2重印象にしても)、どうしても必要以上に粘膜を横、あるいは下方へ押してしまいがちです。
また術者が強く保持することにより、1回1回かなり形の異なる模型ができあがってしまう。
この問題の解決方法の一つを教えてくださったのが、
阿部二郎先生
です。
リムロッククトレー(阿部先生が推奨されているトレーではありませんが)をこのように加工して(「誰にでもできる下顎総義歯の吸着」ヒョーロン参照)、それを用いてうまく印象が採れる*ようになると、咬合採得の時に、相当な確率で “ そこそこ ” 吸着するろう提ができあがってきます。
*そこそこ修行は必要です(^^;)
ポイントは本にも書かれているとおり
『 アルジネート印象材を口腔内に満たし(シリンジを使って),アルジネート印象材を少量盛った枠なしトレーを口腔内に入れ,術者がトレーを押さえることなく閉口させて下顎安静位で硬化を待つ。』
ということです。
枠なしトレーのイメージとしては、
[ アルジネートの中にトレーが浮遊しており、トレーは印象が絡みつく単なる骨格 ]
ると考えるとわかりやすいと思います。
枠(トレー)で押さえつけることがない印象。
これは、デンチャースペースの採得を意味し、そこから起こしたろう提の具合の良さにつながり、結果、適度な大きさでしっかり咬合採得のできた完成義歯ができあがるという “ いい流れ” になるのです。
因みに写真(セッコウ模型)の患者さんは、口唇圧・頬圧が非常に低いため、このように辺縁が厚めに採れています。
今日咬合採得させていただいた患者さん(写真とは別)は、どこの歯科医院で作ってもお口に入れることができる上下総義歯ができあがらないとのこと。
枠なしトレーで印象採得した模型で作ったろう提を用いたので、入れてもらえる総義歯の第1段階クリアーです。
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