バーティカルコントロール
細かい質問に対していつも切れのある回答をくださる、私が尊敬している歯科医のお一人の
福岡歯科大学の沢教授
に、
「何事についてもそうだが、どんなに偉い先生が言っても、「間違いない!」と強調しても、完全に信用してはならない。
もしそうなってしまったら、もはや 『 学問 』 ではなく、『 宗教 』 になってしまうからだ。
末竹先生は、バイオブロック療法について否定的な目で見ながら検証している。
このことに共感した。
だから応援している。」
と言っていただいている。
バイオブロック療法や、その非適応症に対して新装置を用いたアドバンス治療を日々行いながら、成長期の子どもたちについて他により良い治療があるのではないかといろいろな資料に目を通したりしているが、相変わらず歯の並びや前後の関係ばかりで、
顎顔面領域のバーティカルコントロール
について触れ、それを達成できているものは見当たらない(アンカースクリューは “ 歯 ” のバーティカルコントロール)。
かく言う私も、最後のバイオブロック療法に到達するまでは、壁にぶつかり続け、「機能=形態」などと叫びながら、結局は患者さんの顔を長くしながら後戻りと戦ってきたという経験者でもある。
だから、だからわかる。
左図のような同じ段差ではなく、最後の階段はその倍以上の高さにして良いほど習得が難しいバイオブロック療法が、いかに優れた学問であり治療法であるかを。
バーティカルコントロールができる希有な治療法であることを。
*講義スライドより
バイオブロックステージ3の応用が難しいからか、しばしば、バイオブロックステージ1のみを使用してバイオブロック療法を行ったとする症例発表を目にすることがあるが、バイオブロック療法は、あくまでステージ1~ステージ4までシステマティックに使用して、
歯列、顔貌、気道関係など
について、しっかりとした結果が得られるものであることを肝に銘じておかなければならない。
また、ステージ3を入れることでスッと良い結果が得られるためには、ステージ1~ステージ2で、きちんとした条件を作っておかなければならない。
明日のフォローアップセミナーでは、いつもよりももう一段基本に返って細かい説明を行うつもりである。
バーティカルコントロールと称して永久歯の臼歯部を大きく削合している(それも相当雑に)症例を見ると、本当に吐き気をおぼえてしまうアラフィフ歯科医を応援していただける方、右下の【歯科医】ボタンをプチッとクリックお願いします。