長崎県松浦市開業GPの支台築造考
2月以降、ブログで2回取り上げているからでしょうか。
個人的に支台築造について質問されることが多くなっています。
先日もベテランと若手の先生からその基準を聞きたいと言われましたので、まずは現在の一般的な基準として2つの写真を送りました。
一つは、某友の会会員向けの小冊子から、もう一つは患者さん向けに書かれている待合室用の雑誌からです。
どちらもわかりやすくきちんとまとまっていますので、まず執筆された方々に敬意を表します。
その上で、どのような方法をとっても長期に残せる可能性が低い、また教科書的には抜歯であるはずの歯を、さまざまな理由(例えば患者さんの体調、主訴・希望、口腔全体の条件等)で保存に努めなければならない場合が多い、いち臨床歯科医の意見を添えてみたいと思います。
信頼に足る接着システム(*特にポスト先端部(最重要ポイント))をベースにした現在のレジンコア+ファイバーポストは、ここに書かれている以上に臨床では優位でしょう。
優位と言っても、間接法、直接法ともにということではなく、
直接法であれば
です。
当たり前ですが、印象やセメント合着を伴わないので、健康歯質を削除しながら外開き形態にする必要がありません。
感染歯質のみを除去して、その結果アンダーカットを作っても全く問題ありません。
尖った歯質が残っても多くの場合問題がありません。
尖った部分が、最も予後を左右する因子と言われるフェルールになる場合もあります。
根管内を、根管ブラシだけではなくパウダー類を使用しての清掃や防湿などに気を遣いながら「シビアに処置した場合」ということが条件になりますが、
接着 VS 合着
でどちらが優れているかということも比較しなければなりません。
間接法でも接着性のセメントでつけてしまえば一緒だろう?という意見もあるでしょうが、間接法は印象からコアができるまでの多くのステップで生じる誤差をいかに最小にするかが勝負。
その誤差が少なすぎれば根管内に入らないということにもなりますので、現状何を用いても 『 広い 』 空間をセメントで埋めるということにかわりはないと考えています。
一体化
に近づけることができるのは、接着、つまり直接法のレジンコア+ファイバーポストとなるでしょう。
歯肉縁下にマージンが来る場合(インテンショナルエクストルージョンやクラウンレングスニングが基本とわかった上で)、血液や歯肉溝浸出液により接着のレベルが相当落ちる可能性があるので、メタルコアをセメント合着する方が良いような気がします・・・
えっ???
セメントラインが歯肉縁下でしょう?
溶解性の高いセメントが浸出液に接してもいいのですか?
本末転倒では?
ということで、このような条件下においても、無造作にではなく、拡大鏡やマイクロスコープを用いて丁寧に電気メスを用いて歯肉の切除・凝固を行って、歯質を歯肉縁上に出る形にした上で直接法による接着を行う方がベターだと思っています。
歯槽骨の位置との相談にもなりますが、形成ラインを考慮すれば、この歯肉縁上に出た歯質がフェルールにもなることでしょう。
また健康歯質がはっきりと歯肉縁上に顔を出したことで、「何となくこんなもの」の形成が、自ずと丁寧な形成になります。
「電気メスでは止血困難な場合も多くあると思うのですが・・・」
薬液を用いることです。
使い物になる薬剤は現在1種類!(因みにボスミンではありません!)
これ以上書くと雑誌への投稿レベルになりますので、ここらでまとめを。
田舎で開業しているGPとしての意見は、
①メタルコアや間接法で行うことができることは、直接法のレジンコア+ファイバーポストで代用できる。
②歯根破折が起こった場合、メタルコアでは多くの場合垂直性の破折で保存が不可能なことが多い一方、レジンコア+ファイバーポストでは水平性のケースが多いというデータがあるので、失活歯の延命を考えた場合極力メタルコアは避けた方がよい。
③直接法のレジンコア+ファイバーポストの大きな欠点は、
○使用する材料・器具(*根管形成ツールはピーソーリーマーや付属のドリルはダメだと思っています)の慎重な選択や丁寧な手技が求められる。
○想像以上に時間がかかる。
の2点。つまり、時間的に余裕がない場合や、嘔吐反射がきつい患者さんには不向きである。
です。
久々に長いブログを書いてみました。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。
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