その抜群の効果と副作用のなさに惚れ惚れする
「上顎骨前方牽引が必要なケース、あるいは使った方がよりよい結果を得られることが明らかなケースで、牽引を行わないことは罪だな。」
と思うようになりました。
それは、もちろん
アースシステム
を使えるからということが背景にあるということは間違いありません。
・約400グラムの力で
・咬合平面に対して前下方に
牽引し、できるだけ長く使用するというのが原則。
アースシステムの素晴らしいところの一つが、牽引ゴムの反作用をほぼ全て頭の重さで受け止める構造になっているということであり、現在使用している
1キロ(口腔内装置が外れなければそれ以上の力をかけても問題ないでしょう)
という牽引力を加えても、どこも痛くない、引っ張られない、突っ張らないという力学系になっているということから、顎顔面に好ましくない力が加わることなく非常に効率的であり、
・就寝時のみ
・2ヶ月程度
の使用で、抜群の結果が得られるという優れものです。
右上図のように、前下方への牽引は、
○各種縫合の方向と同じ(方向が異なる骨縫合、軟骨結合もある)ことから効率的であり
○上顎骨・口蓋骨の後方が下がるという『ネガティブな回転』を防止する
ための方向なのですが、これはドライスカルを使用したデータに基づくものであって、非常に重要な
下に引けば、歯や歯槽骨の垂直的なドリフトが起こること(要は伸びるということ)
を考慮されていないということを頭に入れておかなければなりません。
中顔面領域が長くなるのを助長し、結局垂直的な犠牲を払いながら見た目の前後関係を修正するといった、バイオブロック療法を極めようとしている我々には、到底受け入れられない牽引方向なのです。
かなり前の論文にあったような、アウターボウを使用して後方を挙げよう、ネガティブな回転を防止しようという涙ぐましい、複雑な装置もありますが、アースシステムでは、とてもシンプルな構造で、
水平的に牽引しながら(垂直的ドリフトを起こさないようにしながら)ポジティブな回転(後方が下がらないようにという程度)をおこす
ということが達成できています。
今週土曜日、日曜日の長崎バイオブロックアドバンスセミナーでの症例発表では、全員問題なく良い結果が得られているだろうと予想できる、そのような装置が手中にあること。
これは、今後たくさんの子どもたちを幸せにする(バイオブロック療法との併用で)ということに大いに寄与するものだと確信しています。
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