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一つだけ得意分野があるって本当に患者さんのためになる?

Posted by Suetake 2011年8月5日

歯科商業誌の後ろの方にはセミナー案内が集中しています。それらを見るとその時集客しやすい、つまり流行っている治療がわかります。今は8割方インプラント関連。次に多いのが、治療に関することではなく、「経営」です。集客する立場になると、セミナーチラシにこの「経営」という言葉が入ると先生方をお誘いするのがたいへん楽だと聞きます。

私個人の意見としては、100の歯科医院があれば、立地条件、患者層、Drの知識・技術レベル、スタッフの質、キャッシュフローなどで100通り以上の“経営立て直し”のための立てるべき戦略・戦術があり、「こうすれば、収入が倍になります」やら「1年で自費率を50%へ」などといった講演は全くナンセンスであると思っています。また、このようなセミナーで昔から決まって言われるのが、

『全般的な治療レベルは平均点で良いので、何か「これだけは負けない」「○○治療の専門家」であるというものを作りなさい。』的なこと。

これって、完全に患者さんを無視した考え方ですよね。

私は、「それって無理」と反対する先生が大勢いらっしゃっても、あくまで「全ての分野で専門医と呼べるレベルに早く到達する」ことが患者さんのためであり、ひいてはその歯科医院のキャッシュフローをよくすることであると信じています。

例えば、インプラントができない、あるいは理由はわかりませんが嫌いな歯科医がいらっしゃたら
・ブリッジをするためにエナメル質をはがしてしまうことが本当にいいことですか?
・ディメンジョンを全く落とすことなく最後臼歯を削ってブリッジをできますか?
・インプラント補綴をした後の、「何でも咬めるようになった」「早くインプラントをやっておけば良かった」「快適です」といった声を聞いたことありますか?

と聞きたい。

反対に義歯が不得手だがインプラント治療が得意だという歯科医に対しては
・下顎総義歯が吸着しないからといってすぐにインプラントを入れアタッチメント義歯を入れることが本当に良いことですか?アタッチメントのために舌側がいびつな形になり舌感が悪くなりませんか?
・インプラントを入れなくても下顎の吸着が得られる可能性はありませんか?
・インプラントのフルブリッジをすることで舌房を狭くしていませんか?(程度の差こそあれ必ず狭くなっています)

などといった質問をしてみたいと思います。
義歯に限らず、インプラント治療をするからには、歯内治療、歯周治療が相当なレベルであって欲しい。歯を保存する技術に長けていて安易に抜歯しないということは当たり前のことで、今更強調することではないと思いますが‥‥。

今日は、インプラントに関わることについて考えてみましたが、その他の「審美歯科」「予防」「歯列矯正」「頭蓋・顎顔面・口腔咽頭治療」(手前味噌ですみません)「外傷に対する処置」そして大事な大事な「咬合(治療)」など、どれが不得意でも、厳しいようですが、全体として 『 いびつな治療 』 にならざるを得ないのです。

治療全般を専門医レベルに早くもっていく。これが歯科医院経営の王道です。

全ては患者さんのために!!

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