CT画像ではなく、CTそのものがないと‥
今日は、午前中に2本の抜歯即時埋入インプラント、午後の終わりには、下顎成熟骨へ2本のインプラント埋入手術を行いました。
午前中は、採血を行い、その操作に習熟したCGF、AFGを応用して予定通りの埋入。
午後も、CT画像にて綿密な計画を立て、十分麻酔を行い、いざ手術へ。
1本は骨幅が不十分なところへ、もう1本は舌側に大きな陥凹部がある位置へ、どちらも寸分の狂いも許されないという条件でしたが、正確に計画した位置・深さにドリリング。
ドリリングが終了し、普段通りにインプラント体を埋入しようと、改めて口腔内を見てみると、のどの方には、血液が相当量溜まり、術野からは明らかに
拍動性の出血
が見られます。
静脈性の出血と異なり、その出血の状況は異常でしたが、「診断・手術に問題はない」と確信していましたので、そのままインプラント埋入。
「念のため」という意味で縫合前にCTを撮影を行いました。
解剖学的に危険な位置を避け、かつ補綴処置も行いやすい方向、深さに埋入。さらにオトガイ孔、下顎管に対する損傷は、当たり前ですが皆無であることが確認でき、本当に細かな表在性の動脈があったのだと確認できました。
緊密に縫合の後、10分程度の圧迫止血で問題なく終了することができました。
ブログに何度か書いたことがあると思いますが、
「術前のCTをいくら綿密に診断したところで、術中・術後のCTがなければ、安全な手術ができるとは言いがたい」
と思っています。
計画したとおりに0.1度の狂いもなく、0.1ミリのズレもなくドリリングすることなど不可能だからです。
術中に細いドリルを浅めに入れてCTを撮って、その後のドリリングの方向、深度を調整したり、今日の私のように術後のCTを撮影して、3次元的な確認ができなければ、どうして
「今日の手術は完璧でしたよ」
と患者さんに伝えることができるでしょう。
拍動性の出血がありながら、全く落ち着いていられたのも、撮影しようと思えばいつでも横にCTがあるという安心感があるからだと、今日改めて感じました。
CT、またメディフュージ(CGF、AFG精製器)の購入を薦めていただいた林揚春先生に足を向けて寝られません。
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