CTであっても画像診断の限界はある。開けてみて初めてわかることも多い。
Posted by Suetake 2015年6月20日
昨日の午前中に行った左下6番の術前CT画像(3D)を見ながら思う。
「若い時に抜髄をしなくてはならなかったケースだな。歯根破折を起こさずにあと何年持たせることができるだろう。」
「頬側皮質骨がしっかり残っている状態では、デンタルX線写真レベルで正常組織と小さな根尖病変とのコントラストはどの程度つくのだろう。」
また、予想よりも10分オーバーして終わったオペを思い出し、上図を見ながら思う。
「開けてみなければ(切開、剥離してみなければ)わからないことってCTを持っていてもあるよね。」
自分なりに完璧に近遠心根、3根管の歯根端切除をシミュレーションし、イメージして臨んだものの、歯肉剥離して頬側皮質骨を開窓して唖然。
病変部が大きい!
いや、それよりも
白い!
そう思ってCT画像を見れば、写っていなくもないのですが、水酸化カルシウム製剤と思われる物質と不良肉芽が混ざった感じで充満しており、掻把用のダイアモンドバーを使用したにもかかわらず、患部の十分な掻把に時間がかかってしまいました。
このケースに限らず、デンタルX線写真で小さな異常にしか見えない根尖病変も、実際は予想していた以上に大きかった(3次元的に)と思うことばかりです。
「 CTであっても画像診断の限界はある。開けてみて初めてわかることも多い。」
CTを所有しているクリニックも、このことを肝に銘じるべきだと思います。
きちんと治療を行うことができたならば、大きな根尖病変であっても、歯内治療のみで治る場合も多くあるのですから、「生体の治癒能力ってやっぱり素晴らしい」と歯根端切除術を行うたびに思うアラフィフ歯科医を応援していただける方、右下の【歯科医】ボタンをプチッとクリックお願いします。