20年前を振り返って(最終回)
(前回からのつづき)
以前からあったのですが、歯科医になってから特に
強烈な肩こり
に悩まされていて、松浦に帰ってくるまでは、自宅で妻にマッサージしてもらうこともしばしばでした。
あるときからこの痛いほどの肩こりから解放されました。それはある人に出会ったから…
ある人とは?それが今回ご紹介するもう一人、
OKラボセンターの大浦清範社長
です。
初めてお目にかかり、1時間ほどお話ししたときから、ただ者ではないと思っていましたが、私自身の歯列模型を見るだけで(決して上下咬合させているわけではないのに)、肩こりの原因となっている咬合調整すべき部位を指摘されるのです。その通りに調整してみると、あら不思議、瞬間
肩のおもり
がとれていました。
機械論的な咬合理論ばかりでしたが、高い咬合器を買ってセミナーを受講してきたのに、そのような細かい異常がほとんど見えない歯科医である私に対して、模型を見るだけで、その後も次々と魔法のように問題点を言い当てる大浦社長。
それからは、
咬合に関する師
と仰ぎ、話をするときや技工物を見るときに全てを学び尽くすつもりで食らいついていきました。
模型計測のためのセッコウ模型のトリミングも一気に100以上をこなしました。
松浦市からでは交通の便が非常に悪かった、広島の呉のある歯科クリニックで行われた咬合診断の1年コースにも勧められるままに通いました。
義歯の精密な人工歯排列の実習も数ヶ月にわたって行いました。
実のある咬合の勉強を進めるうえで何よりも良かったのは、
私自身がごくわずかな咬合のズレで異常なほど全身症状が出てしまう
ことでした(実は今でもそうです)。
「磨くほどのわずかな咬合調整でこれほど体が楽になるのか。」
「なんか腹部膨満感があると思ったら、ああ、この部位がゴリゴリと当たっていたのネ!」
といったことをたくさん経験するにつれ、患者さんがかみ合わせなくても、口の中を見るだけで異常が目に飛び込んでくるようになりました。
今ではさまざまな咬合理論とミックスさせることで、臨床でより応用しやすい自分なりの
かみ合わせ論
ができあがっており、一般の保険診療のみならず、インプラント、そして顎顔面口腔育成治療を行う上での、しっかりとした大きな下地となっています。
事情により、今はお目にかかる機会が非常に少なくなりましたが、大浦社長がいらっしゃらなければ、咬合の勉強どころか、かみ合わせが原因のさまざまな不定愁訴を抱えた不健康な歯科医になっていた可能性が大きいと思います。
感謝しています。
松浦に帰ってこなければ、今回ご紹介したお二人にはおそらく遭遇しておらず、大きな幹ではなく枝葉を追いかける、またトレンドばかりを追いかけ本物とは何かが全く見えない歯科医になっていて、勉強はするけどストレスをどんどんため込んでいたかもしれません。
そう考えると、ゾッとします。
今回の『20年前を振り返って』の結論、それは
松浦で開業して大正解!!!
です。
松浦の皆さん、そしておつきあいをしていただいている皆さん、これからもどうぞよろしくお願いします。
(おわり)
長々とした今回のシリーズブログにおつきあいくださいましてありがとうございました。
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